今も耳にこびりついて離れない鈍い音。
ナツオとのお出かけ中に遭遇したおんぶ事故。
信号待ちでのほほえましい光景が一瞬で暗くなる。
おじいちゃんと呼ぶにはちょっと若く、
お父さんと呼ぶにはちょっと年上の
男性とその兄弟が仲良く信号待ち。
ナツオくらいの男の子と小学生くらいのお兄ちゃん。
弟はおんぶをせがみ、お兄ちゃんはひとりでふざけてる。
落とし物を拾おうとしゃがんだ男性に飛び乗る弟。
そしてしゃがんでいる男性にいたずらする兄。
はたから見ていると最強のツープラトン攻撃。
しかし、その次の瞬間悲劇が。
男性はいたずらに反応して笑いながら
無意識に勢い良く立ち上がる。
おんぶというよりかは首に手をかけただけの弟。
立ち上がった反動で頭からコンクリートに真っ逆様。
「ドン!」
兄弟で遊んでほほえましいな、と
信号待ちながら見ていたらまさかの展開。
あまりにも、あまりにも鈍い音。
当然大泣きの弟くんと顔面蒼白の男性。
何もなければいいんだけど。
ナツオもかなり気になったらしく、
「あのおとこのこだいじようぶかな」
なんて思いだしてはつぶやいている。
私も信号待ちの時やふとした時にあの音が蘇ってくる。
絶対に気をつけよう。